この2品種による交配によって生まれるハイブリッドは、それぞれの優れた特性を活かし、肉質・繁殖力・乳量など多面的にバランスの取れた羊になります。ちょっと難しい話になりますが、以下の図のように片方の弱点をもう片方の強みで補えるのが交配の最大の魅力なのです。

これはいわゆる交雑種（F1種）に特有の「雑種強勢（ヘテローシス）」を最大限に活かせる組み合わせ。もちろん全てが計算通り上手くいくわけではありません・・・が、今回の羊は肉用種としての特化型遺伝と割り切ります（４年前の羊とはキャラクターが全く異なりました）！

羊肉の王者（テクセル）と、母性の象徴（フライスランド）が出逢ったとき、新たな旨さが誕生しました！肉質の良さで知られるテクセル種（雄）と、豊富な乳量と母性で高く評価されるフライスランド種（雌）を掛け合わせた交配羊。この羊肉の最大の魅力は、まずその「肉質」。筋繊維が非常に細かく、本来であれば赤身中心のしっかりとした肉でありながら、噛むたびにじゅわっと旨味が広がる柔らかさがあります。

本来であれば？通常は脂肪分は控えめに育つのですが、今回の羊は「冬の羊」であることと、めぇめぇ牧場さんで給餌されるの豊富な栄養が詰まった牧草のお陰で超巨大な枝肉重量43.5kg（今期最大、通常の若い羊の2頭分近くあります、これは完全に想定外）！

過分に付いた分厚い脂肪はきっちりとトリミング（除去）しているので、肉と脂のバランスは完璧ですのでご心配なく。筋肉には程よいサシが全体に（ロース系）入り、焼いても煮てもパサつきません。さらに、羊肉特有のにおいがほとんどなく、軽やかな風味に驚かれる事でしょう。味わいは、ただ淡白なだけではなく、しっかりとしたコクと甘み、余韻は上品な羊。肉としての旨さが明確に立っており、塩だけのシンプルな調理でも、そのポテンシャルがはっきりと感じられます。また、フライスランド由来の影響もあり、どの個体も飼育期間を通じてストレスが少なく、健康であることが味にも現れています。結果として、肉の水分保持力が高く、焼いた後もジューシーさが長く続くのです。「誰にでも食べやすく、調理しやすく、それでいて深い味わいを持つ羊肉」、これが今回の羊です！

ちなみに、たっぷりの脂肪は料理の幅が広がる万能アイテム。様々な部位の脂肪を厳選してカットし、使いやすい200gパックにしご案内しております！臭みではなく、滋味深く上品な芳香が広がるこの脂は、素材の質が問われる繊細な領域！北海道産羊だからこそ味わえるその純粋な旨みを、ぜひご家庭の料理に取り入れてみてください。

ちなみに・・・今回は全部売り切っても利益が無いです（涙）それだけトリミング（脂肪除去）が多かったスペシャルな1頭！！入荷したときは太ったサフォークだと思ったくらいです（笑）

※1頭分全ての部位をご用意しておりますが、表示のないものについては完売となっております。

【NEW】38年くらい前に松山農場さんで羊乳を採取する為の羊としてやってきた「フライスランド種」。この血統は何世代にも渡り、様々な品種との交配を経て（ポールドーセットやロマノフなど）、今となってはこの土地の品種として存在していますが、もちろん品種名がついているわけではありません。松山農場さん系として私達は言うのですが、今ではその松山農場系の羊を譲り受け、他の農場でもたまに飼育されています。その一つが西川農園さん。その見た目から今回は「フライスランド系」と書いておりますが、やはりこれは松山農場系の羊。比較的小さな体つきはロマノフ譲りですが、肉付きはポールドーセット由来で比較的しっかり。肉質はフライスランドゆずりの繊細さ。12ヶ月は成熟したラムとカテゴライズしてよい月日を経ていますが、全体的にもっと若い羊肉の印象を持っています。つまり純粋な肉用品種（サフォークやポールドーセットなど）の筋肉がしっかりした羊と比べ、繊細で優しい肉質が特徴なので、食べ疲れしないとても優しい羊肉です！全ての部位において過分な脂肪がないので、あっさりと楽しめます。